「人工知能 ― 機械といかに向き合うか」 を読んだ

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感想

人工知能にまつわる話(主に経済面)についての論文8本が書籍化されている本で,単刀直入にとても面白いです.論文が元ということもあり,興味深い考察や将来の展望が多分に含まれています.

以下の内容について知りたい方には,非常におすすめです.

特に興味深かった章について,以下で簡単に書きます.

オーグメンテーション:人工知能と共存する方法

人工知能と雇用・労働の関係について書かれてある章です.

最近,人工知能が仕事を奪う」といったことが各メディアで広く伝えられています.

この章は,そういった内容から一歩踏み込んで,どのような職業が代替可能なのか,人工知能が労働に入り込んできた時どのように対処すれば良いのか,どのような心構えでいればよいのかを体系的に示してあります.

特に,人工知能は「労働」や「雇用」といったパイを人間と取り合う存在ではなく,人間とコラボレーションしながら私たちの「労働」をオーグメンテーション(拡張)するものだという指摘は興味深いと感じました.

人工知能はビジネスをどう変えるか

人工知能をビジネスにどう生かすのか,について書かれてある章です.

人工知能は,現状どのような問題を解決することが可能/不可能なのかそれによって事業の流れやマネジメントはどのように変革していくのかについて詳しく知ることができます.

特に,

経営資源は,「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・データ・キカイ」へ

P64 より抜粋

という一文は,人工知能ビッグデータといった新興の情報技術が,ビジネスに対していかに影響を与えているかを如実に示していると感じました.

ディープラーニングで日本のモノづくりは復権する

人工知能の将来とディープラーニングの発展が及ぼす影響について書かれた章です.

人工知能の歴史と展望が分かりやすくまとめられていて,人工知能はどのような歴史を経てきたのか」や「X年後にはどのようなことが可能になり,それがどう応用されるのか」といったことを詳しく知ることができます.

そして,現在の流行の主観となる技術であるディープラーニングによって,日本の産業やモノづくりにどのような影響を与えるのかを示してくれます.

あなたの上司がロボットに代わったら

ロボティクスの章です.

人工知能がロボットに搭載され,それらが単なるツールから共同作業を行うチームメイトに変革するようになったことで,私たちの心理にどのような影響を及ぼすのかを知ることができます.

特に,擬人化によって人工知能に対する信頼度が増したりアルゴリズムよりも主観を信用しやすい人間の心理について言及してある部分は,非常に面白いです.

どのような手法をとれば,人工知能やロボットに対する人間の心理的な抵抗感を取り除くことができるのかを詳しく記述してあり,おすすめの章です.